ILL受付業務についてわかりやすくまとめてみた
わたしが主に担当している業務「ILL受付」についてわかりやすく説明してみます。
「「図書館の人って、どんな仕事してるの?」」
カウンタでバーコード読み取っているだけではないのですっ!
ちなみに「図書館」と言ってもいろんな種類があり、また、規模によってもその仕事内容は変わってきます。ここでは、「中規模の地方大学図書館」を例に取り上げますのでその旨ご了承ください。
それから、わかりやすさを重視したため、詳しい説明は省きました。
専門用語も極力使わないようにしてあります。
はじめに
ILL (Interlibrary Loan) :「図書館間相互貸借」
『図書館情報学用語辞典』第3版によると
図書館協力の一形態で、ある図書館が、同一機関に所属しない図書館からの要求に応じてコレクション中の資料を貸し出したり、その複写物を提供すること
まあ、わかりやすく言い換えると、
「この本、うちにないんだけど、利用者が使いたいって言ってるから貸して!」でしょうか。
「貸して!」と言う人がいるならば、「貸してあげる!」と応える人がいるはずです。
前者を「ILL依頼」、後者を「ILL受付」と呼びます。
今回説明するのはILL受付…つまり「貸してあげる!」と応える側の業務です。*1
業務はシステム上でデータのやり取りをしつつ、貸出・返却の手続きを進めていきます。
# 下に登場してくる「わたし」は「受付担当者」のことを指します。わかりやすくするために「わたし」で表記します。
# これは一般的な推移です。このように進まないことも多々……
現物貸借(げんぶつたいしゃく)
簡単に言うと 「本の貸出」
1.他図書館「この本貸して!」
−書名や巻号などのデータが送られてくる。
2.わたし「わかった。調べてみるね。」
−書架に本を取りに行く。本の状態などから、貸出しできるか判断。
3.(貸出しOKな場合)
わたし「発送するよ。○月×日までに返してね。」
−本を梱包し、送料を確認。システム上でデータを更新する。
(貸出しNGな場合)
わたし「ごめんね、無理だった><」
−システム上で「謝絶」する。*2
〜郵便屋さんの活躍〜
4.他図書館「届いたよ!ありがとう。」
〜利用者に貸出〜
5.他図書館「返却するね。」
〜郵便屋さんの活躍〜
6.わたし「無事、戻ってきたよ!」
−本を確認。システム上でデータを更新する。元にあった棚に戻す。
以上が、現物貸借の流れです。
文献複写(ぶんけんふくしゃ)
簡単に言うと 「コピーの提供」
1.他図書館「この雑誌(本)の、このページをコピーして送って!」
—雑誌名や論題名、ページ番号などのデータが送られてくる。
2.わたし「わかった。調べてみるね。」
—書架に雑誌(本)を取りに行く。指定された論題が該当ページに掲載されているか確認。
—複写できる状態か、判断。
3.(複写OKな場合)
わたし「複写できるよ。発送するね。」
—該当ページを複写し、複写料金と送料を確認。システム上でデータを更新する。
(複写NGな場合)
わたし「ごめんね、無理だった><」
—システム上で「謝絶」する。*3
4.他図書館「届いたよ!ありがとう。」
〜利用者に引き渡し〜
以上が文献複写の流れです。
おわりに
ILL受付業務の概要を理解していただけたでしょうか。
相殺制度とかのお話をするともっと複雑になってしまうので、今回は省きました。
ILLは、とっても便利な図書館サービスです。
自分が利用している図書館にないからって、その資料を読むことを諦めないでだいじょーぶ。
ご期待に添えない場合もありますが、まずは相談してみてください。
ではでは。