ちゃんとねなくちゃ

とねなです。はてなダイアリー「わたしはらいぶらりあん!」から、はてなブログに移行してきました。移行に伴い、ブログ名も変更しました。ついったーでエゴサすると必ずヒットしてくるやつです。

おじいちゃんのこと

今日は祖父の誕生日。

生きていたら89歳の誕生日でした。

以下は、約1年前に祖父のことを書いた文章です。

ほんとはもっと早く公開する予定だったのだけどこんなに時間が経ってしまい、そして祖父は亡くなってしまいました。

天国でおばあちゃんと楽しく暮らしていることを祈り、この文章を公開することにします。

 

---------------------------

 今から40年近く前のこと、母は高校を卒業したら東京の大学で建築を学びたかったらしい。しかし家を出て東京で一人暮らしをすることに、父、つまり私の祖父は断固として許さなかった。(無理やり進学したらたぶん勘当されていただろうと母は語っていた)
 そこで母は東京の大学への進学を諦め、(代わりに新車を買ってもらい)実家から通える会社に就職した。そのまま婿をとり、母は生まれたときからずっとあの家に暮らしている。
 そんな実体験があったからか、私は小さい頃から「大学には進学しなさい」と言われて育った。時代背景もあるだろうけれど(大学進学率の増加)、私は高校を卒業したら大学に進学するのが当たり前だと思って生きてきた。お金の心配もせず。自分がやりたいことを第一条件に考えることに何の抵抗もなく。

 最近、祖父が入院した。お見舞いの帰り、母が「じいちゃんはね、あなたが大学進学するとき、ほとんどお金出してくれたんだよ」と教えてくれた。一人暮らしに必要な家具・家電、入学費用……。母は祖父から「何でそんな遠いところに行かせるんだ」って煩く言われたらしい。「あの子の人生なんだから、やりたいことやらせてあげたいでしょ」と、母は答えていたようだ。

 私は何も知らずに今まで過ごしてきて、大学もストレートに卒業はしたけれど、1限はサボったり、単位落としたりでとても勉強を頑張ったとは言えない。でも、母に「大学生活楽しかった?」と聞かれたとき、「楽しかった!」って即答できる。それだけでも親孝行したと思って良いのかな。

 おそらく、私はとても恵まれているんだろうな。今のこの時代でも、金銭面や親の考え方の違いで大学へ進学できない人もいるでしょう。「こういうことに困らない家庭に生まれることも運のひとつ」ということを聞いたこともある。それで良いのかなとも思うけれど。

 

---------------------------

 

以上が、約1年前に書いていた文章です。

今では四十九日も終わり、いろいろな諸手続きも落ち着いています。

 

通夜・葬儀の際、親戚から私の知らない祖父の昔話をたくさん聞きました。

そういえば16年前、祖母が亡くなったとき大勢の人が葬儀に駆けつけてくださったのを目の当たりにし、「私も亡くなったときに悲しんでくれる人がたくさんいるような、そんな人生を生きたい」って思ったなあ。

 

祖父は戦時中、名古屋の工場に動員されていて、戦後、故郷の新潟に戻る途中 静岡の気候がとても暖かくて気に入ったから静岡に住み着いた、という話が本当のことなのかどうか、今では確認することができなくなってしまいました。もっと早く、戦時中のこととか聞いておくべきでした。

 

祖父も祖母も、孫が私しかいなかったし、同居もしていたし、とても可愛がって(そして甘やかして)いただきました。

 

人から頼まれたら断れない性格と、お店で出された食べ物を残せなくて無理してでも食べちゃうところ、祖父にそっくりだって母に言われました。変なところ、隔世遺伝しなくて良いのに(笑)

 

じいちゃん、わたし、車運転できるようになったんだよ。じいちゃんが気に入ってずっとお世話になっていた車屋さんで買ったよ。中学生のときは毎朝学校の近くまで車で送ってくれてありがとう。毎朝急かしちゃってごめんね。わたしの運転する車に乗せたかったなあ。安全運転するから、空から見守っていてね。